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個別の目標設定――チームを伸ばすコーチの役割とは

野球指導で大切なのは「チーム全体」だけにこだわるのではなく「一人ひとりの成長」にもフォーカスを。本記事では、小学生でも簡単にできる目標設定の方法や、指導者が学ぶべきポイントを紹介します。

野球はチームスポーツですが、選手一人ひとりの課題や成長スピードは違います。特に成長期の子供たちはそれらが顕著に現れます。身体的な成長差だけでなく、脳の発達にも差が現れるので、考える力にも気にしていかないといけません。その中でも、コーチの役割は選手に「気づかせる」こと。押しつけの指導ではなく、個別の目標設定を通して自発的に取り組ませる方法を紹介します。

個別の目標設定の重要性

チーム練習は効率的ですが、すべての選手に同じ課題が当てはまるわけではありません。守備範囲、打撃の目的、声の出し方など、それぞれ違う課題があります。コーチが一方的に「ここを直せ」と指示するだけだと、選手本人が必要だと感じていない部分を直そうとしてしまい、成果が出にくくなります。

現場でよくある指導の落とし穴

実際には監督・コーチが「欠点」を見つけて全体で練習を行うことが多い一方、その練習がチーム全体にとって的外れである場合もあります。まずは指導者自身がチームや個々の選手の現状を正しく把握することが不可欠です。

指導者に求められる学び

野球指導は歴史的に「経験則」に頼る部分が多く、サッカーなどで進んでいる科学的指導や育成システムに遅れをとることがあります。経験だけに頼ると、根拠の薄い反復や無理な負荷でケガにつながることも。指導者は継続的に学び、正しい方法を取り入れる必要があります。

YouTubeコーチの情報に振り回されない

近年は「YouTube」で技術指導の動画コンテンツが多数出回っており、映像で分かりやすい説明が魅力ですが、プロモーション色の強いコンテンツや「見栄え重視」で本質が省略されているものもあります。学びが浅い指導者や選手が情報を鵜呑みにすると、誤った練習法を取り入れてしまう危険があります。情報は「なぜそうするのか(理論)」と「自分たちの現状で再現できるか」を見極めて取り入れましょう。

野球指導者資格の活用(公式な学びの場)

体系的に学ぶ方法として、各種の指導者資格や講習があります。資格取得は知識の裏付けになり、保護者や選手からの信頼にもつながります。以下は代表的な制度の一例です(公式ページで詳しく確認してください)。

  • 全日本軟式野球連盟(JSBB) 指導者講習・公認学童コーチ
    学童・少年層の指導に必要な安全管理や指導法が学べる講習。暴力や暴言がいけないこと、選手への声のかけ方、昔と今は違うということを主に学ぶことができます。それだけ昔の指導というのが根強いと言うことでしょうか。費用もあまりかからないこと、チームに1人は所持者が必要など、必要最低限の資格です。

    受講はホームページより申し込み可能です。eラーニングなので、自宅にいながら講習会の受講が可能です。
    受講フロー: ホームページから申込 → 講習受講(eラーニング) → 認定証取得

    全日本軟式野球連盟 指導者情報(JSBB)

  • 公益財団法人日本スポーツ協会(JSPO) 公認スポーツ指導者資格
    スポーツ指導全般の基礎から、競技別の専門コースまで体系的に学べます。野球は「軟式野球コーチ1と3」があり、それぞれ学ぶ内容が異なります。

    受講フロー: 各都道府県のスポーツ協会HPで申込 → 共通科目(eラーニング+集合研修) → 専門科目(野球指導) → 登録・資格取得
    日本スポーツ協会 公認スポーツ指導者 概要(JSPO)

  • 一般財団法人 全日本野球協会(BFJ) 公認野球指導者資格
    年代別の基礎講習(U-12、U-15など)や、ベースボールコーチングクリニック(BCC)を通じて取得可能。
    受講フロー: BFJ公式HPから申込 → オンラインまたは会場講習受講 → 修了試験・認定
    全日本野球協会 指導者情報(BFJ)

小学生でもできる目標設定の方法(声かけ例)

  • 「今日の練習で1回は大きな声を出してみよう」
    目標がシンプルなので達成しやすい。
  • 「次の打席では、バットにボールを当てることだけ考えよう」
    結果(ヒット)ではなくプロセスに注目させる。
  • 「キャッチボールで10回連続で相手の胸に投げてみよう」
    数字で見える化すると達成感が得られる。

振り返りの習慣をつける

目標を立てたら練習後に短い振り返り時間を設けましょう。「できた?」「どう感じた?」の一問一答でも自分を内省する習慣になります。成功は具体的に褒め、未達成時は次に向けた具体策を一緒に考えます。

まとめ

チーム競技である野球でも、個々の気づきと目標設定が選手の成長を左右します。指導者はYouTubeなどの外部情報をうまく活用しつつ、「理論」と「自分のチームの現状」に照らして取捨選択するフィルター役を担いましょう。体系的な学びとして指導者資格や講習会に参加することは、安全で効果的な指導への近道です。未来の選手を守るためにも、指導者自身が学び続ける姿勢を持ち続けてください。

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